幸せ家族製作所
2007年某月某日 不幸な少年をどうしても幸福にしたくて作りました。
2007'03.24.Sat
(1日目 その3)
「ここがスザク君の部屋ね」
そう言って案内された部屋は、とても可愛らしくきれいにされていた。可愛いといってもフリルなどがあるわけではないのだが、柔らかい色の家具といくつか置かれているぬいぐるみのせいでそう見えるのだが・・・・
(ぬいぐるみ・・・・)
そういえばいくつかシュナイゼルさんにも貰ったな、とスザクは考える。
普通男にぬいぐるみはあまりないんじゃないだろうかと思いながらも、なかなかそういい出せないまま受け取っていたスザクだったが、ひょっとしてブリタニアではぬいぐるみを子供に与えるのが普通なのだろうか、と考えてしまう。
実際のところはただ単に「スザクにぬいぐるみ」という組み合わせを気に入ったシュナイゼルが、それをセシルに吹聴した結果「私も見たいです」と言い出したセシルがこれ幸いと用意しただけのものだった。そうとは知らないスザクは、こっそりと溜息を吐きながらぬいぐるみと同居する覚悟を決める。
「こっちが私とロイドさんの部屋で・・・・と言ってもほとんどロイドさんは書斎に入ったきりなんだけれど」
「しょさい?」
「そう、仕事部屋なんだけど・・・・こっちよ」
ここ、と見せられたのはスザクに与えられた部屋とロイドたちの部屋とは向かいになる部屋だった。おそらく元はその二部屋をあわせたほどの広さがあるはずの部屋は、見事なまでにさまざまなものが置かれていて、一見するとえらく散らかっているように見えた。
「うわ・・・・」
思わず出た声の響きにスザクが何を感じたとったのか分かったセシルは、くすりと笑って灯りをつける。
照明がついたところで、スザクはまた声を上げた。
「うっわあ・・・・なんですか、これ」
ケーブルだらけの部屋だった。
パソコンと思われるものが何台も置かれていて、それ以外にも何だか分からない機械がいくつもあった。機械機械機械、という感じの部屋に、スザクの目が丸くなる。
「ボクの仕事道具だよ~、あ、ちなみにキミは立ち入り禁止ね、この部屋」
壊されると困るから、と続けるロイドだったが、にっこりと笑ったセシルはスザクを連れて部屋の中へと遠慮なく踏み込んでいく。
「ロイドさんの言うことは気にしなくていいから。気をつけてぶつかったり壊したりしなければ入っても大丈夫よ」
「は、はい・・・・」
スザクはいいんだろうか、と思いながらも反射的に頷く。
彼なりに、どちらに従ったほうがいいかということを本能で理解していたのだ。
「これ、見たことある?」
「?えと、何か覚えはあるんですけれど・・・・」
セシルが指差したのは机の上に置かれている30センチ四方ほどの大きさの薄い箱状のものだった。真っ黒なそれはどこかで見たことがあるような気がしたが、スザクには心当たりがなかった。
「ゲーム機なんだけど、使ったことないかしら?」
ちなみにあれとあれもそうよ、とセシルが言った方には、色や大きさが違うものがいくつかあった。
「そういえば・・・・テレビとかで見たことあります」
うちにはなかったから・・・・と呟くスザクの目は、それに吸い寄せられている。
基本的にアウトドア派なスザクはどうしてもそれが欲しいと思ったことはなかったが、昔ゲームについてやたらと楽しそうに話す級友たちに少しだけ羨ましいと思ったりもした。
そんなスザクを見ながら、セシルは笑みを浮かべる。
「やってみたい?」
「え、あの・・・・いいんですか?」
「いいわよ。ロイドさん、ひとつスザク君の部屋につけますね」
「え~・・・・いえ、構いません。どうぞ。あ、でも今製作中のだけはやめてよぉ」
「はいはい」
「製作中?」
「そう、ロイドさんの仕事よ。ゲームを作ってるの」
「ゲームって作れるんですか!?」
驚いたスザクはロイドを振り返る。そこに見える尊敬の念にロイドはにっこりと微笑む。
「すごい?」
「すごいです!」
「そうかぁ~、じゃ、折角だからボクが作ったので遊んでみなよ」
「はい!」
「じゃあねぇ・・・・」
うきうきと説明しだすロイドを相変わらず子供のようだ、と眺めながらも二人が仲良く楽しそうにしているのを目にしてセシルはなんとなく柔らかい気持ちになっていた。
**********
ロイドさんは、自分の作ったものを誉められるのは好き。
ロイドさんを持ち上げようと思ったらそれが一番。
1日目はこれくらいで終了にしようかなあ。<かなあて。あ、もうちょっと。短いのをもう1個やっぱり入れます。今晩くらいにUPできるといいなあ。
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