幸せ家族製作所
2007年某月某日 不幸な少年をどうしても幸福にしたくて作りました。
2007'03.21.Wed
(1日目)
「ではスザク、いい子にしているんだぞ」
柔らかい微笑を子供に向けるシュナイゼルに、ややロイドの顔が引き攣る。
シュナイゼルがスザクを酷く可愛がっている、ということは知ってはいるのだが、その溺愛と言ってもいい仕種をこうして目の当たりにする度、見てはいけないものを見てしまったような気分になる。
「小さい子じゃないんですから」
どこか困ったような顔で言いながら、すれでもスザクは頷いた。
それに頷きながら、シュナイゼルは視線をスザクの横に立つロイドに転じる。
「ロイド、苛めるなよ?」
「ボクそんな子供じゃないんですけど」
いくらんなんでも小学生相手にそんな大人げないことはしません、というとシュナイゼルが苦笑する。全く相手をしない、ということがこんな子供相手には苛めに近いのだと分かってはいないロイドに。
(まあ、セシルが居るのだから大丈夫だとは思うが)
今までもシュナイゼルが留守の際、時折様子を見に来ていたセシルはスザクのことを大層気に入っていた。そのセシルが居る限り、ロイドの行動が行過ぎることはないだろう。
セシルにも頼む、と言い置くと彼女はきれいな笑みを浮かべた。
「おまかせ下さい。ロイドさんの暴言が飛び出したら拳に訴えてでも止めますから」
「頼もしいな」
「ええ、何時ものことですから」
「・・・・そうか。まあ、宜しく頼む」
「はい」
握られた拳を横目で見て顔色を悪くしているロイドを眺めながら、シュナイゼルは苦笑した。そして待たせてある車を振り返る。
「行ってらっしゃい」
いつもの言葉が掛けられて、シュナイゼルはにこりと笑みを返した。
「行ってくる」
くしゃりともう一度その髪をかき混ぜるようにして、シュナイゼルは旅立った。
「あー、行った行った。じゃ、セシル君。あとはお願いね~」
車を見送ったロイドは、腕を上げて体を伸ばして、セシルに言う。
予想していた通りの言葉に溜息を吐きつつ、セシルはスザクの手を取った。そしてロイドに笑顔を向ける。
「ロイドさん、最初くらいちゃんとしてください」
「え~、だってボク仕事したいんだよ~」
「――そうやってちゃんと向き合わないっていうのは、私許せないんです。ご存知でした?」
「・・・・・・・・ご存知です」
「よく出来ました。じゃあスザク君、とりあえず中で簡単にうちの説明するわね」
「は、はい」
なんだろう、なんでセシルさんは笑顔なのにちょっと怖いなんて思ってしまったんだろう、とスザクは首を傾げながら、導かれるままにその家に足を踏み入れた。
**********
えーと。ちょっと今日は面倒なご飯を作る予定なので短め。
とりあえず1日目はもうちょっと続きます。ついでに全部の日にちをやるかどうかは不明ですv<・・・・
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