幸せ家族製作所
2007年某月某日 不幸な少年をどうしても幸福にしたくて作りました。
2007'03.28.Wed
(2日目 オマケ)
『ロイド・アスプルンドさまよりコレクトコールでお電話が入っています。お出になられますか?』
告げられた内容にシュナイゼルは首を傾げる。
まだどことなくぼんやりとしている頭に、眉間を軽くマッサージしながら「繋いでくれ」と伝えると電子音が鳴って、電話の向こうの相手が切り替わる。
「どうした、ロイ・・・・」
わざわざお前から連絡してくるなど何かあったのか、と尋ねようとしたシュナイゼルの声は、電話の向こうの友人の甲高い声によって妨害される。
『ねえねえねえ!!スザク君って何あの子!?』
「・・・・・・・・何がだ?」
嫌でも目が覚めるロイドの声に、それを通り越して驚きすぎて心臓が立てる激しい音を聞いたシュナイゼルの声のトーンは自然と沈む。
『すごいんだよ!ゲーム初めてやるのに、ボクの作ったゲーム、あっという間にクリアしちゃって!!しかも上級レベルとかでも余裕で!ちょっと信じられなかったから目の前でやってもらったんだけど、すごいんだよ。反射神経と動体視力とあと、神経の伝達速度なのかな?とにかく人間業とは思えないコントローラーさばきでものすごい速度でクリアしてくんだよ!』
分かるかい、と興奮した声で言われて、シュナイゼルは眩暈を覚える。
寝起きにこの声は、心臓に悪すぎる。
「あのな、ロイド・・・・」
『なんだろうね、アレ!なんか鍛錬とかやってるみたいだしその賜物かな?ちょっといろいろ調べてみたいよね。きっとスゴイ運動神経とかしてると思うよ~。あと動体視力!あぁ、そうだ。そのあたりもうちょっと調べて・・・・昔言ってたゲーム覚えてるかなあ?バーチャルリアリティ使った格闘シミュレーションゲームとか。あの子ならきっとスゴイと思うんだよね~』
ねえねえ聞いてる!?と告げられるに至って、シュナイゼルは息を吐き出す。
「――聞いている」
『やだなあ、反応ないから聞いてないのかと思ったよ』
「今の会話のどこに反応を返す余地があったんだ・・・・というか、お前こそ人の話を聞こうとしてくれ」
頼むから、と常にないような下手に出た口調で話してしまったのは、ひたすらに脳がロイドのマシンガントークに壊されかかっていたからだ。
「そもそもお前、国際電話は高いからとかどうとか昨日言っていなかったか・・・・?」
わざわざそんなことを言うために電話してくるなんて、と言うシュナイゼルの言葉にはロイドの抗議の声が上がる。すごいことなんだよ!!と。いやお前とは価値観が違うからと言ってやりたかったが、そんなことは無駄なことだと知っていた。むしろ熱く語られて更に疲れてしまうことだろう。
『それに、ちゃんとコレクトコールで掛けてるから大丈夫!電話代高くても払うのがウチじゃなければセシル君には怒られないから!』
「・・・・・・・・」
眩暈と同時に頭痛に襲われる。
電話代を惜しむ気はないが、問題はその精神の在り方だろう、と。
だが、どうしても一言だけ言いたかった。
「ロイド・・・・お前、電話してきた用件はそれだけなのか?」
『それだけ、ってまたぁ。スゴイんだよ、あの子!君だってあの子のことはなんでも知っておきたいんでしょ?』
それはそうだが、と言ってしまえばその時点で負けたも同然なのだが、それでも今後のためにシュナイゼルはロイドに伝えなければならなかった。
「ロイド・・・・こちらが今何時か知っているか?」
『え~、そんな時差なんていちいち覚えてないよ~。こっちは今昼の2時だけど、そっちは何時なわけぇ?』
「明け方の5時だ。ちなみに眠ったのは2時なんだがな」
『そうなんだぁ、じゃあまだ眠いよねぇ』
「分かってくれるのか?お前が?」
『分かるよ。ていうかボクを一体なんだと思ってるんだい君は。そっかぁ、じゃあお邪魔しちゃったねぇ。まだ時間あるならゆっくり眠ってね~!じゃ、おやすみ!』
がちゃり。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
覚醒しきった頭でも、一体何が起こったかわからなかったシュナイゼルは、受話器をじっと見詰めた。
――言いたいことはあった。
だが、彼の口から漏れたのは、ひたすら疲れ果てた溜息だけだった。
もう少し。もう少し寝てから考えよう。
まだ暗い窓を確認して、何故か最初に眠ったときよりも疲れ果ててシュナイゼルはベッドに横になった。
夜明けはもうすぐそこまでやってきていた。
**********
なんでうちのシュナイゼル様はこんなに弱いんだろう。
いや最終的には強いと思いますけれどね。
3日目からはもう少し短くなる・・・・予定です。手のすべりに任せているので自信はありませんが。(痛)
『ロイド・アスプルンドさまよりコレクトコールでお電話が入っています。お出になられますか?』
告げられた内容にシュナイゼルは首を傾げる。
まだどことなくぼんやりとしている頭に、眉間を軽くマッサージしながら「繋いでくれ」と伝えると電子音が鳴って、電話の向こうの相手が切り替わる。
「どうした、ロイ・・・・」
わざわざお前から連絡してくるなど何かあったのか、と尋ねようとしたシュナイゼルの声は、電話の向こうの友人の甲高い声によって妨害される。
『ねえねえねえ!!スザク君って何あの子!?』
「・・・・・・・・何がだ?」
嫌でも目が覚めるロイドの声に、それを通り越して驚きすぎて心臓が立てる激しい音を聞いたシュナイゼルの声のトーンは自然と沈む。
『すごいんだよ!ゲーム初めてやるのに、ボクの作ったゲーム、あっという間にクリアしちゃって!!しかも上級レベルとかでも余裕で!ちょっと信じられなかったから目の前でやってもらったんだけど、すごいんだよ。反射神経と動体視力とあと、神経の伝達速度なのかな?とにかく人間業とは思えないコントローラーさばきでものすごい速度でクリアしてくんだよ!』
分かるかい、と興奮した声で言われて、シュナイゼルは眩暈を覚える。
寝起きにこの声は、心臓に悪すぎる。
「あのな、ロイド・・・・」
『なんだろうね、アレ!なんか鍛錬とかやってるみたいだしその賜物かな?ちょっといろいろ調べてみたいよね。きっとスゴイ運動神経とかしてると思うよ~。あと動体視力!あぁ、そうだ。そのあたりもうちょっと調べて・・・・昔言ってたゲーム覚えてるかなあ?バーチャルリアリティ使った格闘シミュレーションゲームとか。あの子ならきっとスゴイと思うんだよね~』
ねえねえ聞いてる!?と告げられるに至って、シュナイゼルは息を吐き出す。
「――聞いている」
『やだなあ、反応ないから聞いてないのかと思ったよ』
「今の会話のどこに反応を返す余地があったんだ・・・・というか、お前こそ人の話を聞こうとしてくれ」
頼むから、と常にないような下手に出た口調で話してしまったのは、ひたすらに脳がロイドのマシンガントークに壊されかかっていたからだ。
「そもそもお前、国際電話は高いからとかどうとか昨日言っていなかったか・・・・?」
わざわざそんなことを言うために電話してくるなんて、と言うシュナイゼルの言葉にはロイドの抗議の声が上がる。すごいことなんだよ!!と。いやお前とは価値観が違うからと言ってやりたかったが、そんなことは無駄なことだと知っていた。むしろ熱く語られて更に疲れてしまうことだろう。
『それに、ちゃんとコレクトコールで掛けてるから大丈夫!電話代高くても払うのがウチじゃなければセシル君には怒られないから!』
「・・・・・・・・」
眩暈と同時に頭痛に襲われる。
電話代を惜しむ気はないが、問題はその精神の在り方だろう、と。
だが、どうしても一言だけ言いたかった。
「ロイド・・・・お前、電話してきた用件はそれだけなのか?」
『それだけ、ってまたぁ。スゴイんだよ、あの子!君だってあの子のことはなんでも知っておきたいんでしょ?』
それはそうだが、と言ってしまえばその時点で負けたも同然なのだが、それでも今後のためにシュナイゼルはロイドに伝えなければならなかった。
「ロイド・・・・こちらが今何時か知っているか?」
『え~、そんな時差なんていちいち覚えてないよ~。こっちは今昼の2時だけど、そっちは何時なわけぇ?』
「明け方の5時だ。ちなみに眠ったのは2時なんだがな」
『そうなんだぁ、じゃあまだ眠いよねぇ』
「分かってくれるのか?お前が?」
『分かるよ。ていうかボクを一体なんだと思ってるんだい君は。そっかぁ、じゃあお邪魔しちゃったねぇ。まだ時間あるならゆっくり眠ってね~!じゃ、おやすみ!』
がちゃり。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
覚醒しきった頭でも、一体何が起こったかわからなかったシュナイゼルは、受話器をじっと見詰めた。
――言いたいことはあった。
だが、彼の口から漏れたのは、ひたすら疲れ果てた溜息だけだった。
もう少し。もう少し寝てから考えよう。
まだ暗い窓を確認して、何故か最初に眠ったときよりも疲れ果ててシュナイゼルはベッドに横になった。
夜明けはもうすぐそこまでやってきていた。
**********
なんでうちのシュナイゼル様はこんなに弱いんだろう。
いや最終的には強いと思いますけれどね。
3日目からはもう少し短くなる・・・・予定です。手のすべりに任せているので自信はありませんが。(痛)
PR
Post your Comment
カレンダー
最新記事
(07/10)
(05/06)
(04/16)
(04/03)
(04/01)
カテゴリー
メールフォーム
[PR]Samurai Sounds
ブログ内検索
最古記事
(02/15)
(03/10)
(03/10)
(03/10)
(03/18)