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幸せ家族製作所

2007年某月某日 不幸な少年をどうしても幸福にしたくて作りました。

2024'11.16.Sat
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2007'03.31.Sat
(3日目 その2 セシルの視線)

 可愛い子供だと思う。
 けれど、それと同時に、とても心配になる。

 彼は、一体どんな生活を送ってきたのだろう、と。
 家事全般こなすことが出来る小学生の男の子というのは、一体どういうことだろう。別にシュナイゼルが好んでそんなことを子供にさせるような人間ではないことをセシルは知っている。尋ねてみれば、お世話になっているからやることにしたという。しかも、前からやっていたから、と。
 母親がいなかったのだろうかと想像してしまうのだが、いきなりそんなことを聞くのはさすがに躊躇われた。(ロイドに相談してみたら「そんなこと本人に聞けばいいじゃない~」、とスザクに尋ねに行こうとしたので、とりあえずセシルは力いっぱい殴っておいた)
 ものの考え方も、時にひどく子供らしくないことがある。
 遠慮することをおぼえてしまっている、というのだろうか。それすらも隠そうとしているようだったが、時折本当に心配げに見てくる顔を、セシルは何度か見ていた。
 いきなり一緒に暮らせ、と言われても困るだろうとは思う。
 けれど、その困る理由が、子供らしくない。
 住み慣れた家や相手と離れるのが嫌だという理由ではなく、迷惑をかけてしまうのが怖い、とでもいうようなその顔が、この年の子供としてはひどく不釣合いだ。
(一体、どんな風に育ってきたのかしら)
 勝手に想像してはだめだとは思う。
 けれど、考えてしまうのだ。

 もしかして、あまり親の愛を受けていなかったのではないのだろうか、と。

 あまりにも甘えることに不器用なのだ。
 ありがとうもごめんなさいも知っている。けれど、人の好意に触れたときに見せる戸惑うような表情。
 それは、シュナイゼルに対してすら抱いているような気がする。
 ――まあ確かに、血も繋がっていないのにいろいろしてもらっている、と考えるとそういう心情は理解できないこともない。
 けれど、それでも。
 困ったように微笑む顔には、胸を締め付けられる。
 可愛くて、愛しくて。
(確かに血は繋がっていないけれど)
 愛してあげられる。いや、もう既にあの子供のことが、セシルは大好きで愛しかった。
 優しく、どこか大人びているのに、不器用なスザクのことが。


**********
白状します。
…ほとんど私が宿っている感じで。<はい?
あと一言ロイド視線を入れたら4日目に突入します。
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