幸せ家族製作所
2007年某月某日 不幸な少年をどうしても幸福にしたくて作りました。
2007'03.29.Thu
(3日目 その1 スザクの気持ち)
ロイドさんもセシルさんも、ちょっと変わっているけれど、いい人たちだと思う。
ロイドさんは、ゲームが好き。といってもやるのが好きなわけではないらしい。作るのが好きだと言う。何が面白いのかは分からないが、それを攻略されるのを見ているのも面白いらしい。スザクが次々とクリアしていくのを見ながら、異様に楽しそうにしていた。それと同時に、もっと難しいのを作りたい、とも。
子供のような人だ、とスザクは思ってしまった。
12歳の子供に思われたのではさぞかしロイドにも言いたいことがあったろうが、残念ながらスザクの心の声は聞こえておらず、反論も勿論ない。
セシルさんは、ロイドさんの奥さん。
とても優しい人で、スザクは優しくされすぎてどうしようと思うが、どうも自分が年齢以上に子供扱いされているような気がして、時折困ることもある。それに、とても優しいはずなのだが、たまにとても怖いことがある。笑顔なのに怖いのだ。特にロイドが態度が悪いときにでるその怖い笑顔は、スザクですらも一瞬身構えてしまうようなそれだ。
(二人とも、いい人だ)
だから、考えてしまう。
シュナイゼルに頼まれて自分を預かってくれている二人は、一体自分のことをどう思っているのだろう、と。
普通ありえないことではないかと考えてしまう。だって、自分の子供でもないのに。まだ預かられて2日しか経っていないのだが、シュナイゼルの話し方だと、どうやらずっと自分をあの人たちにあずけるつもりだと、スザクは感じていた。
迷惑じゃないだろうか、というのが正直な気持ちだ。
だって、自分の子供じゃない。
もし本当に子供が出来たら、どうしようもないくらいに迷惑になってしまうんじゃないんだろうか、と考えると少し不安になる。
シュナイゼルに預かられることが決まったときは、彼自身からはっきりと告げられていた。「お邪魔じゃないですか」と尋ねたスザクに「邪魔なら引き取ったりしない」と。それでも不安だったから「お邪魔だったらちゃんと言ってくださいね」と何度も繰り返して呆れられたが。
そして、今がそのときだった。
邪魔、と言われたわけではないが、それと同じような状況だ。
あの騒ぎで、ひどく心配をさせてしまった。
そんなに心配されていると知って、本当に申し訳ないと思う気持ちと同時に、この人が本当に自分を大切にしてくれているんだということを感じて、ひどく苦しいけれど嬉しかったことを覚えている。
抱きしめられた腕に、この人のことが大好きだと思った。
――だから、あのままで居られないということも理解した。
大切に思ってくれているから、もしまた同じことがあったらと心配してくれているのだ。そして、大好きな人だからそんな心配を掛けたくなかった。
足かせにはなりたくなかった。
出会ってからこれまで、どれだけ迷惑を掛けてきたか分からない。それをそうと悟らせないようにしてくれていたが、それでも少しくらいは分かる。
だから、言われたとおりにした方がいいということも、同時に理解できた。
恐らくそれが一番いい方法なんだろう。あの人にとって。そして多分自分にとっても。
けれど、たったの二日で考えてしまった。
自分によくしてくれる二人に、考えずには居られなかった。
本当に、迷惑じゃないだろうか。いい人たちだから、嫌われたくないから、そう思ってしまった。
**********
好きになると、嫌われるのが怖くなる。自然な流れかと。
ロイドさんもセシルさんも、ちょっと変わっているけれど、いい人たちだと思う。
ロイドさんは、ゲームが好き。といってもやるのが好きなわけではないらしい。作るのが好きだと言う。何が面白いのかは分からないが、それを攻略されるのを見ているのも面白いらしい。スザクが次々とクリアしていくのを見ながら、異様に楽しそうにしていた。それと同時に、もっと難しいのを作りたい、とも。
子供のような人だ、とスザクは思ってしまった。
12歳の子供に思われたのではさぞかしロイドにも言いたいことがあったろうが、残念ながらスザクの心の声は聞こえておらず、反論も勿論ない。
セシルさんは、ロイドさんの奥さん。
とても優しい人で、スザクは優しくされすぎてどうしようと思うが、どうも自分が年齢以上に子供扱いされているような気がして、時折困ることもある。それに、とても優しいはずなのだが、たまにとても怖いことがある。笑顔なのに怖いのだ。特にロイドが態度が悪いときにでるその怖い笑顔は、スザクですらも一瞬身構えてしまうようなそれだ。
(二人とも、いい人だ)
だから、考えてしまう。
シュナイゼルに頼まれて自分を預かってくれている二人は、一体自分のことをどう思っているのだろう、と。
普通ありえないことではないかと考えてしまう。だって、自分の子供でもないのに。まだ預かられて2日しか経っていないのだが、シュナイゼルの話し方だと、どうやらずっと自分をあの人たちにあずけるつもりだと、スザクは感じていた。
迷惑じゃないだろうか、というのが正直な気持ちだ。
だって、自分の子供じゃない。
もし本当に子供が出来たら、どうしようもないくらいに迷惑になってしまうんじゃないんだろうか、と考えると少し不安になる。
シュナイゼルに預かられることが決まったときは、彼自身からはっきりと告げられていた。「お邪魔じゃないですか」と尋ねたスザクに「邪魔なら引き取ったりしない」と。それでも不安だったから「お邪魔だったらちゃんと言ってくださいね」と何度も繰り返して呆れられたが。
そして、今がそのときだった。
邪魔、と言われたわけではないが、それと同じような状況だ。
あの騒ぎで、ひどく心配をさせてしまった。
そんなに心配されていると知って、本当に申し訳ないと思う気持ちと同時に、この人が本当に自分を大切にしてくれているんだということを感じて、ひどく苦しいけれど嬉しかったことを覚えている。
抱きしめられた腕に、この人のことが大好きだと思った。
――だから、あのままで居られないということも理解した。
大切に思ってくれているから、もしまた同じことがあったらと心配してくれているのだ。そして、大好きな人だからそんな心配を掛けたくなかった。
足かせにはなりたくなかった。
出会ってからこれまで、どれだけ迷惑を掛けてきたか分からない。それをそうと悟らせないようにしてくれていたが、それでも少しくらいは分かる。
だから、言われたとおりにした方がいいということも、同時に理解できた。
恐らくそれが一番いい方法なんだろう。あの人にとって。そして多分自分にとっても。
けれど、たったの二日で考えてしまった。
自分によくしてくれる二人に、考えずには居られなかった。
本当に、迷惑じゃないだろうか。いい人たちだから、嫌われたくないから、そう思ってしまった。
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好きになると、嫌われるのが怖くなる。自然な流れかと。
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